【脳と幸せの関係】幸せを感じやすくする体づくり

「脳内の幸せホルモン」を増やして幸せを感じやすくさせる

「脳内の幸せホルモン」を増やす事により、人は幸せを感じやすくなります。
幸せを感じやすくさせるホルモンの代表は「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」などが挙げられます。それらのホルモンが正常に分泌することで、人は日常生活の中で幸福感を感じやすくなります。                                             

「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」の役割と影響

セロトニンの役割と影響


セロトニンは幸せホルモンの代表格であり、自律神経を整えて幸福感をもたらし、心を平常に保つのに役立つ「心の安定のホルモン」。食欲のコントロールにもひと役買い、睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の原料にもなる。不足すると情緒不安定、ネガティブ思考に陥りやすくなり、訳もなく悲しくなるなど悲哀感に襲われることも。老けやすくなる、太りやすくなる、PMSや更年期障害の悪化などにも影響します。

セロトニンの分泌方法

・日光浴をする。太陽の光に当たることでセロトニンの合成を促進する。
・運動をする。運動することによりセロトニンの合成が促進される。歩く、ガムを噛むなどリズム運動が効果的・睡眠を十分に取る。
・睡眠をとることでセロトニンの分泌を促進させる。睡眠が不足すると、ストレスホルモンが増え、セロトニンの分泌を抑制する。
・腸の環境を良くする。セロトニンは脳内だけでなく、腸内でも作られる。腸内のセロトニンが脳内へ届く量は少ないとされているが、「腸脳相関」と言われ、腸と脳は、神経系を介して連携しており、腸内のセロトニンが増えるほど、脳内のセロトニン合成が進むといわれています。
・ビタミンB、鉄分などセロトニンを生成す材料となる食材を摂る。

・瞑想する。瞑想は自律神経の乱れを整えてくれます。自律神経を整えることが、セロトニンの分泌を活性化するといわれています。
・感謝の気持ちを表現する。感謝の気持ちを表現することで、前頭前野という脳の部位が活性化され、セロトニンが分泌される。


オキシトシン役割と影響


オキシトシンは愛情や信頼に関わる作用があります。もともと、出産や育児の際に分泌されるホルモンとして知られていたが、母子間以外でも分泌されることが分かってきました。

オキシトシンが放出されると「幸せな気分になる」「優しい気持ちになる」「不安や恐怖心の軽減」「ストレスの緩和」「他者への信頼や絆を深めたいという思いが強まる」「学習意欲や記憶力の向上 」「睡眠の質の向上」「愛情や絆を深める効果がある」とされています。

オキシトシンが分泌されると、〝自分は愛されている〟と感じられ、さらに人や動物に対しての愛情が高まり、〝親密な関係を築きたい〟という気持ちが増すといわれています。
そのような影響から、恋人関係やビジネスでの人間関係、親子関係においての理解度が向上し、コミュニケーション力が良好になる効果も期待できます。

オキシトシンの分泌方法

・スキンシップを増やす。「握手をする」「手をつなぐ」「抱き合う」など、パートナーや子供、動物、マッサージなど肌に触れる身体的接触によりオキシトシンが分泌される。近しい間柄の人とのスキンシップにはより高い効果が期待できる。・誰かを助けたり物を分け与えたりする「ヘルパーズ・ハイ」(親切にしたことで脳内ドーパミンが分泌され、幸福感をもたらすこと)など人に優しくする行動でも分泌が促される。
・音楽や香りによる分泌。好きな音楽を聴いたり、リラックスできる香りを楽しんだりすることで、オキシトシンの分泌を増やすことができる。
・マインドフルネスによる分泌。マインドフルネス瞑想など、リラックスできる状態を作ることで、オキシトシンの分泌を促進することができる。
・感謝する。感謝することでオキシトシンが分泌される。

その他、スキンシップができない場合にオキシトシンを分泌する方法
・猫や犬の動画を見る
・やわらかいものに触れる(クッションを抱きしめたり、やわらかい部屋着や下着を身につけるなど)肌触りの良い服やタオルを使うのもよい。
・食事や会話を楽しむ 誰とどんなふうに食べるかが大切
・食べ物から栄養素を摂取する(ビタミンC・ビタミンD・マグネシウム・タウリン・カフェインなど)
・映画を見て感動する
・腹式呼吸
など。
「すてきだ」「可愛い」「感動した!」など、感情を抑えることなく解放することも大切だといわれています。何か特別な出来事がなくても、日常生活においてのちょっとした行動でもオキシトシンは分泌されます。

※オキシトシンの分泌が増えると、脳内のセロトニンも増えます。その理由は、セロトニン神経がオキシトシンの受容体を持っているためで、オキシトシンはセロトニン活性も誘発するのです。


ドーパミンの役割と影響


さまざまな行動の原動力になるやる気、モチベーションを促し、集中力や幸福感を高める働きを持つ。仕事や学習に必要な情報を記憶・処理する「ワーキングメモリー」にも影響を与えるため、分泌が促進されると脳が活性化し、頭の回転が上がり効率アップにもつながる。達成感や快感、感動などももたらすため、不足すると無気力だけでなく無感動や無関心なども引き起こす。目標を達成した後に分泌され、その後”ご褒美”が与えられるとさらに分泌が促される。


ドーパミンの分泌方法

・目標を達成した後に分泌される。目標を設定し、いくつも達成できる環境をつくる。
・達成した目標を褒めてもらう。
・目標を達成したらご褒美を用意する。大きな目標である必要はなく、ジョギングが終わったらお気に入りのドラマを見る、掃除を終えたら好きなコーヒーを飲むなどでよい。
・運動をする。
・好きな音楽を聴く。好きな音楽はドーパミンの分泌を促すため、アスリートなども試合前に活用している。
・瞑想する。瞑想にはドーパミンを放出する効果があります。
・タンパク質が豊富な食べ物をしっかり摂取する。タンパク質を摂ることでドーパミンが生成され、また、肉体的、精神的な疲れも軽減でき、ドーパミン的パフォーマンスを発揮しやすくなる。
・感謝の気持ちを持つことで分泌される。「ありがとう」としっかり人に伝えるなど、感謝の気持ちを忘れずに生活する。
・新しいことにチャレンジする。脳は新しいものや情報を見つけると、自分にプラスになるのではないかという思いが刺激となり、ドーパミンを分泌する。

精神科医の樺沢紫苑氏より

精神科医の樺沢紫苑先生は著書「精神科医が見つけた3つの幸福」やYouTubeにて、「セロトニン」→「オキシトシン」→「ドーパミン」の順で重要であるとおっしゃっています。

セロトニン的幸福‥‥心と体の幸福
オキシトシン的幸福‥‥人との繋がりの幸福
ドーパミン的幸福‥‥お金、地位、名誉などが満たされる幸福

まずは心と体が大切。そして人との繋がりがあれば、ほぼ幸福度は満たされる人が多い。お金、地位、名誉などを手に入れても、過労で体調を崩す、家族との時間が無く人との繋がりが希薄であれば幸福度は低くなる。心と体の健康があって、人との繋がりがあり、それらがの幸福の上で自身のパフォーマンスを発揮するとさらに良い結果に繋がりやすい。