即効性★★★★★実行度★★★★★
太陽の光が心を整える仕組み
太陽の光を浴びることで、体内にセロトニンという神経伝達物質が分泌される
太陽の光と幸福との関係については多くの研究が行われ、太陽の光に当たることによって人の幸福度が増すという研究結果が出ています。
カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが行った研究によれば、太陽光によって脳内でセロトニンが増加することが示唆されています。
セロトニンは、脳内で幸福感やリラックス効果をもたらす神経伝達物質として知られています。
この研究では、健康な成人の一部に、夏季において朝8時から午後1時までの時間帯に、顔や腕を太陽光にさらすよう指示されました。
その後、研究参加者の血液中のセロトニン濃度が測定された結果、太陽光を浴びた場合、血液中のセロトニン濃度が上昇することがわかりました。
この研究は、太陽光がセロトニンの分泌を促進し、幸福感やリラックス効果をもたらす可能性があることを示しています。
〜セロトニンについての補足〜
セロトニンは、気分を安定させる効果があり、ストレスや不安が軽減され、幸福感を促進するとされています。うつ病患者の人に毎日お散歩をしながら太陽の光を浴びるよう指示したところ、うつ病の症状が改善したというデータもあります。一日にどれくらいの時間、太陽の光を浴びるべきかは個人差がありますが、具体的には朝の時間帯に30分程度、直接太陽の光を浴びることが推奨されています。
ビタミンDの生成
ビタミンDは免疫力向上や抗うつ効果があるとされています。ビタミンDは幸福感を高めるセロトニンの生成を促進する役割があり、太陽の光を浴びることで、皮膚に存在する7-デヒドロコレステロールがUVBによって刺激され、ビタミンDに変換されます。
サーカディアンリズムの調整
地球上の生物が生まれながらにして持っている生体リズムは「体内時計」と呼ばれています。その中で、およそ24時間周期のものを「サーカディアンリズム」といいます。
サーカディアンリズムを正常にコントロールするために有効なのは、太陽の光です。朝、太陽の光を浴びることで、サーカディアンリズムがリセットされるといわれています。(人の場合は25時間と言われており、毎日1時間ずつズレていきますが、これも太陽の光を浴びることで整います)
また、毎朝同じ時間に起床し、朝食を摂り、同じ時間に勤務先や学校に行くといった行動もサーカディアンリズムを整えるのに有効なルーティーンといえます。
サーカディアンリズムは、体内の様々な生理機能を調整する重要な役割を持っており、睡眠や食欲などにも影響を与えます。朝起きてすぐに浴びると効果的にサーカディアンリズムが整いやすくなります。
季節性情動障害の予防
季節性情動障害(SAD)は、冬季になると起こりやすく、うつ病や不安障害などの症状を引き起こします。特に北欧諸国では、主に冬季にうつ病のような症状が現れる疾患が一般的です。
これは、日照時間が短くなる冬季に、体内時計が乱れ、セロトニンの分泌量が減少することが原因とされています。北欧諸国は高緯度地域で、冬季の日照時間が非常に短く、SADが発生しやすいと考えられています。これらも太陽の光を浴びることで、SADの発症を予防する効果があるとされています。
日本においては、北海道や東北地方など、冬の季節が長く日照時間が少ない地域でうつ病が多く発生しているという報告があります。このような地域では、SADなど季節性のうつ病が発生しやすいとされています。冬などには特に天気が良い日に外でのお散歩など、意識して行ってみるのも良いかもしれません。
【その他】雨の日に憂鬱になる人もいる。〜自律神経の影響〜
雨の日と自律神経の関係については、いくつかの観点から考えることができます。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、これらがバランスよく働くことが大切です。雨の日は気圧が低く、湿度が高くなることが多く、このような状況が続くと交感神経が優位になり、副交感神経が抑制される傾向があります。これにより、興奮状態や不安感が高まり、心拍数や血圧が上昇することがあります。
また、湿度が高いと空気が重くなり、呼吸が苦しく感じることもあります。これにより、ストレスが増大し、交感神経が優位になることがあります。
雨の日は日照時間が短くなるため、メラトニンの分泌量が増加する傾向があります。メラトニンは眠気を誘うホルモンであり、このような状況が続くと眠気が増して、副交感神経が優位になることがあります。
以上のように、雨の日と自律神経の関係は複雑であり、気圧や湿度、日照時間などの要因によって異なる影響があることがわかります。しかし、一般的には交感神経が優位になり、ストレスが増大する傾向があることが報告されています。体調を整えることで自律神経が乱れにくくなり、天気の影響に左右されにくくなるという研究報告もあります。
【太陽の光】について、私が意識していること
皆さん、引っ越しで新しいお部屋を探す時、部屋の窓の方角を確認することが多いかと思います。
私はそれと同様に転職する時などはその職場の採光も確認しています。
同じような職場の条件ならば、私は窓が大きい、日当たりが良い職場を選びます。
屋外での太陽光に比べると、効果は劣ると考えられていますが、窓ガラス越しの太陽光でも適切な明るさや時間帯であれば、セロトニンの生成に一定の効果があるとされています。
自然光の光で明るい職場は、気持ちも自然と明るくなったり、開放感を感じます。職場に置いてある観葉植物もよく育ちやすく、生き生きとした緑がさらに心を癒してくれると感じていました。
また、天気が良い日は外でお弁当を食べたり、飲食店ではテラス席に座って休憩することも日常で太陽光の恩恵を受ける工夫になるかと思います。